テーマの設定理由

〈テーマに関する子どもの興味関心など〉
 散歩の途中で桃の花が咲いているのを見たり、散歩先でダンゴ虫を見つけたり、だんだん春が近づいているのを子どもたちと一緒に感じていた。散歩の途中にある丸子川沿いの桜の木を見た子どもが、「は るになったら、さくらのはながさくんだよね」「そうだよ、ぜんぶさくんだよ」と 言って 桜の花が咲くの を楽しみにしてい る姿があった 。「お部屋にも、大きな桜の木があったらいいね」というと「じゃあ、みんなでつくろうよ」と声があがる。 桜の木づくりに取り組むことにする。桜の木づくりを中心に、子どもと一緒に春のイメージをふくらませながら制作に取り組んでいく。

活動スケジュール

活動内容/日付 時間 年齢/人数
桜の幹をつくろう 3月/午前中 幼児クラス
桜の花をつくろう 3月/午前中 幼児クラス
蝶々をつくろう 4月/午前中 幼児クラス

自然

①桜の幹をつくろう

活動のために準備した素材や道具、環境の設定

準備するもの 
・ビニールシート・絵の具・筆・お皿・雑巾・模造紙
・クッションファンデ スタンプ用
環境の設定
・1つのテーブルを使って絵の具 コーナーを設定する

活動の内容

  • 木の幹のかたちに切った模造紙に色を塗っていく
  • 筆やスタンプや手など、いろんな表現方法を楽しむ

活動中の子どもの姿・声、子ども同士や保育者との関り

 絵の具で木の色をつくっていくところが楽しく、少しずつ色を混ぜ合わせていくと「ほんもののきのいろみたい」と嬉しそう な様子 。色塗りではなく絵を描きたいと言い 、 動物の絵を描く子がいた。出来上がってみると、木の中に動物が住んでいるようで、他児も「かわいい」と言って注目されていた。 保護者も、「かわいくかけたね」と 言ってよく 見て いた 。

活動の様子が分かる写真

 

振り返り

 庭に桜の木はないが、保育園の近くの川沿いには桜の木があったり子どもたちにとっても身近なため、イメージがしやすいように感じた。 1人が手で塗ると他の子もり始め 、感触あそびが楽しい様子だった。子どもたちの楽しそうな姿をみて、感触あそびや 自分の体や五感をつかって大胆に表現できる機会を作っていきたいと思った。

自然

②桜の 花 をつくろう

活動のために準備した素材や道具、環境の設定

準備するもの 
・ビニールシート・絵の具・筆・お皿・雑巾・模造紙
・クッションファンデ スタンプ用
環境の設定
・1つのテーブルを使って絵の具 コーナーを設定する

活動の内容

  • 桜の木 のかたちに切った模造紙に色を塗っていく
  • 筆やスタンプや手など、いろんな表現方法を楽しむ

活動中の子どもの姿・声、子ども同士や保育者との関り

 手や指を使いながら色を塗る子や、筆でべったりと色を塗ることを楽しむ子などそれぞれの楽しみ方で取り組んでいる。色を混ぜるところが一番盛り上がるが、塗り始めると集中して取り組んでいる。「きれいだねー」「ぴんく、かわいい」と言いながら塗っていく。

子どもたちの姿

 

 

振り返り

 3歳クラスの子は、スタンピングや手で塗ることを楽しんでおり、4 歳児クラスの子は、花のかたちを描きたい子が多い。スタンピングでは、繰り返しスタンプを押すことで素材の特徴を理解し、円状にスタンプを押して花の形にする などの姿がみられた。ただやるだけでなく、子どもが自分でモノの特徴や面白さに気づいてそれを自分のやり方で試していくためにも、活動時間に余裕があることが大切だなと思った。

自然

③蝶々を つくろう

活動のために準備した素材や道具、環境の設定

準備するもの 
・ビニールシート・絵の具・筆・ 花パレット・絵の具バケツ ・雑巾・ 蝶々の形に切った画用

紙環境の設定
・ 絵の具 コーナーを設定する

活動の内容

  • 蝶々の 形に切った画用紙に絵の具で模様をかいたり、色塗りをする。
  • 絵の具バケツや花パレットなど道具を使ってみる 。

活動中の子どもの姿・声、子ども同士や保育者との関り

 それぞれに 花パレット・絵の具バケツ・筆・雑巾を渡す。子どもたちに好きな色を聞きながら、大人が絵の具を入れていく。何色も好きな色をいれられることで、とても嬉しそう。一つ完成させると「もういっかいやりたい」と、ほとんどの子 がリクエストしていた。やりたい子が多くいたため、「みんなが終わったらまたやろうね」と声をかける。

 その後、部屋に遊びに来た職員が壁面をみて「春らしくなったね」と子どもに声をかけると、「わたしのちょうはこれだよ」と教えていた。職員は「滲んでいるところが素敵だね」と声をかけていた。

活動の様子が分かる写真

  

 

振り返り

 桜の木の完成後、「春ってどんなイメージかな。春になったら何があるかな。」と聞くと、真っ先に「ちょうちょ!」と答える子どもたち。この日は、 新しい道具 を使ってやってみた。花パレットになったことで 好きな色をたくさん使うことができ 、嬉しそうな様子だった。 花パレットや絵の具バケツなど、初めて使う道具だったが使い方を説明するとよく聞い て言われたことを意識しながら使っていた。やりたい子が増えてきた時に、きりん組の子に「次○○くんに、バケツのこととか教えてくれる?」と声をかけると「いいよ」と 道具の使い方 を 初めての子に教えてくれる姿もあり、 頼もしく感じた。子どもたちの中で教え合う関係が広がっていくといいなと感じた。月齢や子によっては、花パレットやバケツを使うのは難しい こと もあると思うので、 様子や状況を見ながら子どもが集中して楽しくできる環境を用意していきたいと思った。